● 体重管理で血圧を下げる
体重が増えてくるにつれ、血圧は上がりやすくなります。血圧を下げるためには肥満を解消し、肥満で無い人も訂正体重を維持することが大切です。
体重は1kg減ると血圧が約1.7mmHg下がります。
つまり、3kg下がれば血圧が5mmHgも下がるので、減量は血圧を下げる効果が高いと言えるでしょう。
減量することは、高血圧だけではなく、糖尿病や高脂血病などの生活習慣病の改善や予防になります。そうすれば、動脈硬化の進行を防ぎ、心筋梗塞や脳卒中などの命にかかわる合併症を予防することにもなるのです。
とはいえ、摂取エネルギーの制限を厳密に行うのはなかなか難しいので、まずは糖質と脂質の摂取を減らして、1日200~300kcal程度の量を減らすことを目標としましょう。
糖質といってもいわゆる炭水化物をやめる必要はなく、砂糖が入った甘いものや揚げ物を控えるだけでも効果を期待できます。
ただし、大豆や肉などのたんぱく質に含まれる必須アミノ酸は食事からしか取れないので、これはあまり制限をせず、ある程度の量を取るように心掛けてください。
食事の量を減らすのがつらいという場合は、油分の入っていないドレッシングをかけた葉物野菜のサラダを食事前に10分かけてよく噛んで食べてください。こうすれば満腹感が出て食欲が抑えられ、200~300kcalを減らすことが出来ます。
● 運動で血圧を下げる
普段あまり運動をしない高血圧の人が運動をするようになると、血圧が下がることが分かっています。運動をすると血液を全身に送り出すために心拍出量が増え、血圧が一時的に上がりますが、運動をすることによって手足の筋肉の血流が良くなるため、末梢血管抵抗が徐々に減少して、血圧はさがってきます。そのため、全身を動かす運動を習慣にすれば、普段の血圧も徐々に下がってきます。
運動をすると中性脂肪がエネルギーとして利用されるので、善玉と呼ばれるHDLが増えてきます。HDLは全身の余分なコレステロールを回収し、動脈硬化を防ぐ役割を持っています。
運動は脂肪をエネルギーとして消費するので体脂肪が減ります。内臓の周りに付いた脂肪は皮下脂肪よりも運動により消費されやすいため、特に内臓脂肪型肥満の解消に効果があります。
また、適度な運動はインスリンの効きを良くする効果があり、インスリンの作用で血液中の糖がエネルギーとして効率よく使われれば、血液中に余分な糖が溜まることも無くなります。